学校について考える

 息子が中学受験して、希望のコースになれなかった。その事自体は実力相応ならばそれでもいい。問題は、その学校の言行不一致にある。学校説明会では、総合点で8割以上ならばという説明。その学校主催の模擬試験でも、点数と点数分布を教えてくれる学校である。ところが、入学試験では点数は非公開。入学後のクラス編成試験でも8割という事前の基準があるが、これも非公開。学校説明会の内容と、受験までの流れからは、理解に苦しむ。この学校がこれから実績を積み上げたいならば、点数や得点分布を公表して子供に具体的な目標を設定させて、やる気を引き出すべきだろう。学校説明会では解き直しや努力の話を散々していたのに、入学試験や直後の試験でのこの姿勢には違和感しかない。

 もし、この学校の内部進学生への配慮をしているのならば、入学後の試験ではどんな結果になるだろうか?最初の試験で下剋上という状況になった場合には、やる気のある生徒のやる気を潰し、親の学校への信頼を失うことになるのだが。別に、優秀な生徒が増えている結果であれば、努力するいい目標になるからいいのだが、説明会での微妙な内部進学生の反応からは、内部進学生に有利なクラス編成テストであったことは伺い知れる。

 小学生の時に算数で解くことの大切さを知らずに、代数で解くことを教える学校は、子供の力を引き出したり、あるいは将来的な学力の伸びの芽を摘んでいる。英語を早めに学習させることと、数学の基礎となる考え方を育てることを抜きにして手順だけを覚えさせる算数教育では意味が違うことをわかっていない。大木を促成栽培で育てることができるわけもないのに、手をかける時と場所を間違っているとしか思えない。学力ということに対して、今の受験制度の中では決して勝ち組ではなかった教員たちが、真摯に学問を子供に与えるという意識を持っているとも思えない。教育は国の大事であるが、有能な人間で学校の教師になる人は少ない。親が我が子の力を伸ばす意図を明確にもって子供に接しない限りは、子供の才能を伸ばすことはできないだろう。

 何よりも、親からの質問を躱し、ごまかす姿勢が入学試験直後より顕わになる学校であることが腹立たしい。